退職勧奨において,「パッケージ(特別退職金)を多く獲得する」という目的で戦略を立てる場合には,SWOT分析が有効です。
SWOT分析とは,Strength(強み),Weakness(弱み),Opportunity(機会),Threat(脅威)の4つの観点から状況を分析するものです。
Strength(強み)は,労働契約法16条によって,日本の労働者は強く保護されていることです。会社は,解雇した場合に訴訟に巻き込まれ,敗訴するリスクがあるので,パッケージ交渉をするというインセンティブ(動機)があります。また,会社は,退職するまでは,給料を払い続けなければならないというプレッシャーがありますので,そのプレッシャーが労働者の強みになります。
Weakness(弱み)とは,会社から上司・部下の関係を背景に,心理的圧力をかけられることです。退職は労働者の義務でありませんから,会社と労働者は対等な立場でパッケージ交渉をするべきです。しかし,現実的には,労働者は,会社に対し,ストレートに自己主張をすることが困難です。その結果,労働者は,会社に対し,「パッケージを増やして下さい。退職日を遅らせて下さい。」などのお願いベースでアプローチするという非常に拙劣な交渉をすることになりがちです。
Opportunity(機会)とは,「退職」と「パッケージ」を交換するという取引によって,多額のパッケージを獲得できることです。機会を最大限に有効に利用することが,スマートな(賢い)外資系企業労働者です。
Threat(脅威)とは,会社から,会社案を受諾しない場合は,解雇,PIP,配置転換などを実行する,と伝えられることです。その場合は,労働審判手続申立,訴訟などの対抗手段があります。
戦 略
交渉のプロである弁護士に交渉を依頼して,Weakness(弱み)を補強し,Threat(脅威)に対処し,Strength(強み)に基づいて,Opportunity(機会)を生かすのがベストです。
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