泣き寝入りせず,特別退職慰労金を交渉すべき!
あなたが取締役ならば、オーナー株主または代表取締役社長から、辞任届を出すように迫られた場合、どうするか。合理的な選択肢は、3つです。
@辞任を迫る理由を聞き、反論し、退職勧奨を撤回させる。
A会社と交渉し、既存の退職慰労金に加えて、特別退職慰労金をできる限り多く得ることを条件に辞任する。
B特別退職慰労金の交渉が決裂し、解任された後、会社に対し、損害賠償請求をする。
取締役と会社は、委任契約なので、会社は自由に解任ができる上、解任は、原則的に有効になります。他方、労働者と会社は、雇用契約なので、会社は、労働基準法及び労働契約法の厳しい制限に服した上で、解雇するしかありません。労働者に対する解雇は、客観的な合理的な理由と解雇が社会通念上相当であると認められるという要件を満たさなければ、無効になります。
確かに、取締役は、労働基準法及び労働契約法によって保護されていません。しかし、取締役は、会社法339条2項によって保護されています。解任に正当な理由がない場合は、解任された取締役は会社に対し、損害賠償を請求することができます。
損害として賠償請求できる額は、裁判例によると、解任されなければ在任中及び任期満了時に得られた利益の額とされています。取締役が辞任を迫られた場合は、取締役は労働者よりも弱い立場ですので、特別退職慰労金の交渉を弁護士に依頼することを勧めます。当職は、泣き寝入りしない取締役の方のために全力を尽くします。